IT関連の仕事、という響きを聞けば、何となく「あ、収入が良さそうだな」とか思われたりするものですが、実際は全くもってそんなことはないのが現実なわけで、とても悲しい気持ちになることもしばしば。
私の知人にアメリカでITの仕事を嗜んでいる方が居るのだが、その人の話を聞くと海外と日本の待遇面の格差に驚きと落胆を隠し切れないので、鬱憤を晴らすためにもとりあえず記事にしようと思います。
成果主義に見合う報酬が支払われていない
日本は古くから、成果主義というよりも年功序列の流れが強く、今でもその風潮は色濃く残っている。
国内のIT企業に関してはというと「成果主義という名の年功序列”紛い”主義」が蔓延っているといっても差支えはない。
成果主義といいつつも、成果に見合う報酬は支払われず、なんだかんだいっても上司より給料が高くなるということは殆ど無い。何も知らない若者は「天辺を取るべく」身を粉にして働くのだが、大抵の場合は身も心もボロボロに成ったところで捨てられる都合のいい駒でしかない。
勿論昔に比べると、本当の意味での成果主義を打ち出しているIT企業は増えているが、まだまだその数は少ないのが現状だ。
「成果主義」や「裁量労働制」という言葉で日本人を踊らせるのは、そろそろやめたほうが良いのではないだろうか。
転職は決して悪いことではない
IT企業に務める者であれば、常に最先端の技術に触れていたいと思うのは当たり前のことです。
特に技術の進展もないような運管作業を5年間務めていたら、次に外の世界に出た時には浦島太郎のような状態になってしまうことも珍しくはない。
しかし、日本人の就業風潮として「終身雇用」という天使のような悪魔の囁きがひしめいているため、基本的に転職はNGだし、良い印象を持たれることは殆ど無い。
だが考えてみてほしい。確かに世間の風潮で転職はNGかも知れないが、ITという括りで考えてみると、転職はとても当たり前のことであるということを。
自分の求めている知識、持っている知識を最大限に活かせるような職場でない、もしくは待遇が見合っていないのであれば、転職を考えるのは本当に当たり前の事なのだ。
もし今、転職を考えている人がいるならば、風潮や世間体に負けない強い心を持って、堂々と転職してほしい。
脅しに屈してはならない
ここ数年日本のIT業界はこぞってベトナムやカンボジア、シンガポールなどに支社を出すようになってきた。
狙いとしては勿論「コストダウン」が狙いだ。日本に比べると、他のアジア諸国はどこも半分以下の賃金で同じ時間働かせることが出来るため、確実にコストダウンには繋がりますし、経営者としては正しい判断です。
その流れに伴い、最近どの会社でも経営陣が「このままだと外国に仕事を取られてお前たちの仕事は無くなるよ?」という言葉を使うようになってきたという話を耳にする。
正直な話、これには憤りを隠し切れない。これは明確な脅迫である。その言葉に怯える人が出るとわかっていて使っているのであれば、尚更質が悪い。
実際問題、本当にクオリティが高いのであれば、仕事がなくなって当然かもしれない。が、現地のクオリティと日本のクオリティとでは雲泥の差がある。デザインに関しても、日本人向けのデザインを中々覚えてくれないし、コーディングに関しても、かなりのスパゲッティコードのため、後々の運管業務に支障が出ることも多い。
賃金の安さに魅力を感じ、海外に進出しようとする企業が多いが、大手の企業は結局日本人のWEBデザイナーにサイトを作ってもらいたいし、安定したクオリティを求めている。
仕事が無くなってしまうのではないかという不安にかられる事は誰しも持ち合わせた気持ちだが、その脅しには屈せず自分の技術を高めるという事を常に考えておけば、仕事がなくなるということはまずないから、安心してほしい。
日本人はもっと、自分たちの技術とクオリティに自身を持つべきなのだ。